3倍価値のある液体
オロナミンCの魅力についてはもう話したっけ? という感じである。
prasmの読者には20代中盤の若者も(多分)いるので、大盛り、メガ、Mよりも断然L、大盛り無料ならノータイムで大盛りという層もいるとは思うが、オロナミンCの魅力についてはおそらくあと10年もすればわかる。
正直一番好きなジュースは何かと問われれば、一番好きなジューオロナミンCくらいの食い気味で前のめりなアンサーになるのは許してもらいたい。
それくらい絶妙なのだ。あの量、味、デザイン、抜群の安定感である。
自販機で売っているコーラとかファンタとかいわゆる缶ジュースの容量が350ml、細いタイプで250ml、缶コーヒーでよくある背の低いタイプが185ml。そして我らのオロナミンCはと言えば120mlというぶっちぎりの低容量。
値段はもちろん同じだ。350ml缶と比較してコスパが悪いという考え方もあるだろうが、3倍近い価値のあるプレミアムな液体故にその値段もやむなし、というのが僕の評価だ。
ラーメン食べた後にまだラーメンが食べられる世代にはまだわからないと思うけどもあの量こそ至高。
ゆっくり楽しんで3口で終わる。
それでいい。
一口目で美味さを実感し、二口目でやはり美味いと評価を確信し、もう少し飲みたいなという飲後感でフィニッシュする。
カツ丼とうどんをセットで頼めてしまう層にも共感してもらえると思うが、食べ物(飲み物)はだいたい一口目がうまさのピークである。そのあとは言わば惰性だ。美味いけども一口目ほどじゃない。
ならば、一口目の感覚を保ったまま終わるというのが食べ物の一番美味しい食べ方である。そりゃあ回転寿司にみんな並ぶわという話だ。
鍋料理のように「締めにセカンドピークがある食べ物」もあるにはあるが、味も形も変わっているので1つの食べ物とはカウントしかねる。それはそれで人類の叡智ではある。
オロナミンCに関して言えば、一口目、もちろんピークである。とはいえ、一気飲みは流石にもったいないし炭酸がキツい。そこで、二口目。繰り返しになるが、やはり美味い。自分の選択の正解性を確信する瞬間だ。
瓶の中の液体はもうほとんどない。すするようにフィニッシュする。3口目は2口目に比べ圧倒的に量が少ない。出来れば2口目くらいの量が3口目にも欲しいなというのが率直な感想で、その感想のままフィニッシュする。
それがいい。
何事においても「また○○したい」というのが最高の褒め言葉であり対象への賛辞なのだ。
君とまたデートに行きたい。君とまた映画を見たい、君とまた仕事をしたい。またご飯に行こう。「確実にある次」というのは絶対的な評価そのものになる。
結局800字程度で終わろうと思ったら1000字を超えている。
結局結局美味いのだ。
リアルゴールドでもデカビタCでもライフガードでもドデカミンでもだめだ。(ドデカミンは良い線いっている)
シンプルに他のどの飲み物でも比較にならないほどオロナミンCは美味いのだ。選ぶ理由は他にいくらでもでっち上げられるが、その必要もないくらいに美味いのだ。
治乱興亡の激しいドリンク業界において、盤石不動の地位をその実力によって、築いている。ぶっちぎりで圧倒的で替わりの無い存在として。
おばあちゃん、なんでおばあちゃんの家にはポカリのスリム缶とオロナミンCが常備されていたのか、わかる年齢に俺もなったよ。
おばあちゃん。
文:シンタロヲフレッシュ