だからもう泣かないで、僕が守るから
音楽というジャンル・芸術・表現はいいなぁと羨ましくなることがある。
例えばBUMP OF CHICKENの「リトルブレイバー」という曲は1999年のアルバム「FLAME VEIN」に収録されたのが初出の曲で。
2022年のライブを収録したライブ盤「LIVE 2022 Silver Jubilee at Makuhari Messe」の「リトルブレイバー」を聞いて今思う。
20年以上前の楽曲だけども、今のBUMP OF CHICKENが鳴らす音や歌う声には、今ならでは歴史的な重み、または時代をまたぐ軽やかさのようなものがあって。
例えば僕が20年前にやっていた演劇というメディア形式は、時代をまたぐことは多分ちょっと難しい。
録画された演劇はそれはもうなんというか、厳密な意味での演劇とは呼べない何かだよな。
記録が難しい媒体故の刹那性や爆発力があって、それはそれで魅力的なジャンルなんだけどね。
BUMP OF CHICKEN のライブには行ったことがないのだけども、ライブ盤を聞く限りでは昔の楽曲もまんべんなく演奏してくれるようでホスピタリティが高い。
このブログが始まったのが2011年なので、ここには今現在12年分の言葉が保存されている。ふむ、それはそれで感慨深い。
「だからもう泣かないで、僕が守るから」と藤原基央さんはどういうつもりでどういう気持ちで歌詞を書いたのかもちろん皆目見当もつかないのだけども、20年前と今とで気持ちは変わっただろうか。
僕はと言えば、1999年にこの曲を聴いていた頃には本当の意味合いにおいて守るものはとくになかったけども、むしろ今は家族があって、妻が居て、思えばむしろあの頃よりも今の方がこの歌詞が沁みる。
文:シンタロヲフレッシュ