なぜあのブログは○○で話題に!という記事を量産するのか?またはfacebookに話題の記事をドヤ顔で投稿する彼の話

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なぜあのブログは○○で話題に!という記事を量産するのか?またはfacebookに話題の記事をドヤ顔で投稿する彼の話

何も「○○で話題!」系の記事は今に始まったことじゃなくて、まとめ系ブログなんかはかつての昔から

  • ~~で話題に
  • ~~なやつちょっとこい
  • うはwww~~なんだがwwww

こんな感じのタイトルは存在していました。

理由はシンプルで、「クリックしてみたくなるから」でしょう。僕はあんまりクリックしないけど。

ってことはクリック誘発ってのはわりと幻想で、まとめ的な記事のテンプレとして使われているわけですね。

とはいえ、まとめブログ的な、はたまた暇つぶしにちょろっと眺める話題画像が好きな層ってのはいるわけで、それなりに請求力は兼ね備えているという解釈。

まずはこんな解釈から。

Twitterの大衆化によってブログ界隈における『タイトル』に変化が起きている*ホームページを作る人のネタ帳

2012年の記事ですが抜群にわかりやすくまとめられています。

僕も記事を読んだときはなるほどなぁと思ったし、何ならクリックされやすいタイトルを意識して今でもブログを書いています。

とはいえ、「○○で話題!」みたいな記事を量産することはありませんでした。

理由は、「検索にかからない」からです。

「○○で話題!」系は検索をまるで重要視していないの?

ブログはSEOに強い!だ、結局は検索流入がすべてだ!と、今までは検索エンジンといかに仲良くするのかがブログにとって最重要課題でした。もちろん、今も変わらず重要であることは間違いないでしょう。

ではなぜ「○○で話題!」系記事は増え続け、個人ブログまでもが追従するのかを、以下に。

急速に台頭してきた、「バイラルメディア」というジャンル

メディア・パブ: 年初から飛び出るバイラル狂騒

メディア・パブ: 異常なほどの成長を誇示するバイラルメディアの新星がまた出現

たった1ヵ月で読者数は2100万人! 弱冠20歳が立ち上げたバイラルメディア「Distractify」が驚異的 – メディアの輪郭

Upworthy、1本の記事に対して平均4万以上のいいね!を記録 – メディアの輪郭

「バイラルメディア」と呼ばれるwebメディアがとんでもなくPVを稼いでいる。そんなわけで、マーケティング系、ビジネス系メディでこれでもかと特集が組まれています。

たった1本の記事で1700万PV超え! 米メディア「Upworthy(アップワーシー)」のヒットコンテンツ5選 – メディアの輪郭

シンプルに言えば「検索」に頼らず「拡散」だけで集客することに特化したメディアってのが、僕の認識。おもしろかったり、考えさせられる動画だったり、ねこにゃんの可愛い写真10選だったり、とにかく人に勧めたくなるモノってのが、一般的。

っていうか、シェアした人がFBでほどよく自分の考え方や興味をアピール出来ることに存在価値を絞った記事群。って感じかな。

そういえば僕の周りでもそういう人増えたしね。こんな面白いの知ってる?みたいな。ちょっと政治にも興味あるよ。みたいなことをFBに記事を投稿することでアピールする人達。

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もちろん、個人の情報発信は「ブログがすべて」じゃないわけですからね、こういうややドヤ感のある普通の人達(非ブロガー)にも、発信が浸透したってことでしょうかね。

良い情報は良い発信者に集まる。これは僕の好きな言葉です。

FBやSNSで気軽に発信するおもしろさ、はたまた再拡散されたりコメントが付いたりするリアクションにおもしろさを感じた人達にまさにどんぴしゃなメディア、それがバイラルメディア、なるほど納得。時代にフィットしてる。

それほどまでにFBは、もしくはSNSはパワーを持ったって解釈でOKですかね。

これまで記事の読み手(コンテンツ消費者)は、「疑問や質問、興味関心」を「検索」という第3者(google)のフィルターを通した回路でマッチングしてた。

バイラルメディアが特化してやっていることは、「感情や興味」を「SNS」というよりパーソナルで検索よりも「直接性」の高い回路であるシェアーで読み手とコンテンツを直接繋ごうってところかな。

バイラルメディアの基本的な設計

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どこまでもシェア推し(笑)。圧倒的なまでの物量でシェア推し。

流入のほとんどはFBから。記事内容もFBでシェアされやすいようなモノに特化している。

「検索」を放棄して「拡散」だけに的を絞っているわけで、上に書いたように「結局検索よね」に矛盾している。

矛盾しているが故に、実に興味深い。

繰り返しになるけど、別にこういう動きが国内になかったのかと言えば、もちろんそんなことはなくて「○○で話題!」系記事はまとめブログなんかでは昔からあったわけです。

特にTwitterが流行りだしてからは謙虚で、それに関してはネタ帳さんがまとめてくれますね。タイトルの変化は僕も感じました。

そこへきて、動画やリスト系記事に特化して、シェア推しで成功しているから今「バイラルメディア」が注目されている。

SNSと仲良くするベーシックな戦略

ブログとSNSとの親和性や関連性はことさら説明はいらないと思います。

更新情報を流したり、読者の方とやりとりしたり、そしてSNSやはてブでバイラルを目指したりすることは、ブログを書く上でベーシックな戦略となっています。

SNSは重要で大事だけれども、それでも軸となる戦略は「検索にかかる役に立つ記事をかく」だったはずです。今までは。

長期的に見て、確実にPVを増やす唯一の方法だと、僕も確信してます。

ラクしてブログのアクセス数を増やすたった1つの方法 – デマこいてんじゃねえ!

記事1本ごとのアクセス数は細々としたもので充分だ。1日50PVしかない記事でも、一ヶ月で1,500PVを稼いでくれる。そういう記事を50本も書けば、何もしなくても月間75,000PV、アフィリエイトでお小遣い程度なら稼げるアクセス数になる。 …

via.ラクしてブログのアクセス数を増やすたった1つの方法 – デマこいてんじゃねえ!

なるほど、間違いないなと。

ランディングページ最適化編・ブログのアクセスアップを考察*prasm

○○で話題に!は何を目的に量産されているのか

当然シェア。

SNSからの瞬間的な流入を狙っている。もちろん、書くのに手間はかからない。情報収集経路とタイミングだけが重要になる。オリジナリティーもあまり必要とされない。ネタをチョイスするセンスはある程度必要かもしれない。

「バイラルメディア」のコレまでの成功は、スマホの普及率、SNSの浸透率が高まったおかげでもあるという見方が、結構一般的。

確かにスマホが手元になければ動画は楽しめないし、国産youtuberもバカバカ増えて、youtubeを見ることがテレビ的になってきた感はある。

隙間時間にサクッと!ってのは、ぎっちりしたテキストでは難しい。

○○で話題に!系記事はネタを受け取る読み手の

  1. 暇つぶしでライトに読める
  2. おもしろいモノをシェアしたい欲求に訴えかける
  3. 俺こんな事知ってるんだぜ!という自己顕示欲にアピール

この辺にアピール出来ればそれでいいし、あわよくばもっとこの手のネタを欲しがっている層は、断続的にアクセスしてくれる可能性もある。

この辺は記事の書き手のTwitterアカウントをフォローしておけば更新情報が飛んでくるので、なおさらSNSとの親和性は高い。

25個もタイトル案を出すシェア特化への執念

UPWORTHYが伝える「シェア」への執念

上に上げたネタ帳さんの記事とは少し違う「バイラルメディア」の記事タイトルへの取り組み。

シェアに特化してメディアを運営するというのはそれなりに工夫が必要みたい。


長い。
ふたつの文章からなり、エモーショナルな(感情的な)気持ちをかき立てられ、書き手の主張のスタンスが読み取れる。伝えたいメッセージのポイントはタイトルに含まれているけれども、クリックしなければ詳細はわからない。  このスタイルはいままでのジャーナリズムの記事タイトルのスタイルとはかなり異なり、ネット時代、SNS時代に発達した新しいスタイルと言えそうだ。 …

via.こういうタイトルの記事を毛嫌いしないほうが良い10個の理由 – ICHIROYAのブログ

なるほど、示唆に富んでいる。

ちなみに覚醒する @CDiPのどんぴさんが発明した(と僕は思っている)この記事タイトルのスタイル

iPhone って標準の「電話アプリ」から「タダ電」できるってマジすか!? → はい、思いっきりマジです。てかそれが普通です。ドコモ も au も ソフトバンク も関係ないんです。 | 覚醒する @CDiP

これもSNSとの親和性が高いと思う。まるでTwitterで複数人がRTで会話しているかのようで、一見ブログ記事のタイトルとは思えない。

SNSからの瞬間流入、または感情に訴えかける訴求力は思っている以上に大きい

バイラルメディアが大成功うまうま!という流れを知らない人から見たら、○○で話題に!をくだらない記事だなと思うかもしれない。

しかし、ブロガーなら「検索流入」を放棄しても自分の意見を拡散させることが出来る可能性があることを知っておいて損はない。

google至上主義を根本から覆す可能性のあるSNSの波及力。

もしくは対象を自分のセンスで切り取り紹介する「キュレーション力」。「適切なタイミングを見極める力」、そしてSNSでの影響力を構築できるように「自分のアカウントをしっかりと育て」れば、検索流入だけに頼る従来型の発信とは違った発信ができるかもしれない。

茂木健一郎の連続ツイートとか、其れはそれで一つのメディアみたいな形をもう既になしている。

茂木健一郎の連続ツイート

まとめテンプレタイトルをわりと無価値とレッテルを貼るのは簡単だが、googleに頼らずともやっていけるメディアもあるほどに、SNSの拡散力はもう「とりあえずやっておいた方がいい戦略」の域を大きく超えていることは疑いようがないかなぁ。

  1. 注1:僕の仮説はバイラルメディアが検索流入をまったく当てにしてないことに基づいている。
  2. 注2:シェア特化メディアは国内だとネタを扱うセンスがとにかく重要
  3. 注2:当然文章をちゃんと読みたい、役に立つ記事が読みたい読者は光速で離れていく。
  4. 注2:とはいえ、離れていってもなおおいしいくらいのうまみは確保されている。たぶん。

このへんは@attrip (アットトリップ)がすごく旨いバランスで回しているなぁって印象。

量産されるバイラルに特化した記事、個人ブログ運営者はこの流れに乗るべきか?

体力があればやってみればイイと思う。

検索流入をはなから放り出しておもしろい画像や小ネタをキュレーションして、SNSでのバイラルを狙ってみればいい。○○で話題に!記事が頻発しているということはそれなりに効果が見込めるからやっているんだろう。

さらには技術系の記事での広告クリック率や、広告単価は低い。その点、生活ジャンルや非ITジャンルはその逆であるという収益面のメリットも見込めるかもしれない。

でも忘れてはいけないのは

googleは低品質(文章として意味や内容のあまりない、単ページとして長期的に価値を見いださない)なコンテンツを嫌う。

検索からの流入も捨てきれないなら、バランスを見極めなければ、長期的に見て損をするかもしれない。

しかししかし、さらに思い返すべきなのは

googleは優良なサイトからの被リンクを評価する。SNSでの拡散も、いわば被リンク

何を信じて進むのか、まさにブログ運営者にとって楽しい時代ですね。

一日に書ける記事の数は自ずと決まってくる。どこにどんな風に力をかけるのか、戦略次第では楽しめるムーブメントだと思う。

じゃあprasmでもやるのか

やりません。体力ないから。

SNSとの旨い関わり方、もしくはモバイルへのアプローチを怠ると即死

この辺はバイラルメディアから学ぶ所も大きいと思います。バイラルとSNSは切っても切り離せないので。

そして、バイラルとモバイルも同様に。

ますます今まで以上にモバイルファーストになっていくので、その対応を怠ると、損失がでかいですね。この辺の柔軟さも、やはりWordPressは便利な気がする

汗と涙で確信した!WordPressブログ初心者だった頃の自分に敢えて厳しめに言いたい10項目*prasm

僕自身ついこの間までバイラルメディアも知らなければ、それらが成功している現状も知りませんでした。ブログを含めwebメディアは、まだまだ展開が可能なんですね。

あなたは○○で話題に!系の記事、好きですか??

参考:国内のバイラルメディア

Whats(ワッツ) | 未知を動画で届けるキュレーションメディア

刺さる動画メディア – dropout

ヒマゴロシ | 暇殺し系おもしろ動画ブログ

参考:爆発的に急成長するバイラルメディア、バブルなのか本物なのか

文:シンタロヲフレッシュ

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