二万個のおにぎりとは何だったのか?
数のインパクトはとにかく凄い。
<高校野球>記録員は勝利の女神 春日部共栄・三宅麻未マネジャー
春日部共栄 おにぎり作り“女神”マネ – 高校野球ニュース : nikkansports.com
全文表示 | おにぎり作りで選抜クラスから転籍とスポーツ紙報道 春日部共栄野球部女子マネ、これは美談か?大議論に : J-CASTニュース
春日部共栄のおにぎりマネ・三宅さん引退 「後悔はないです」 – withnews
時系列で見て、発見→小火→引退と、蝉の成虫の如きスピード感。
あと、「おにぎり」「握る」って言葉の響きも「ネタ化」を加速させた要因だろう。特にシモネタが酷い。シモネタが嫌いじゃない僕でも引く。
【高校野球】美談?炎上?普通クラスへ移籍…おにぎり2万個握った女子マネージャー「後悔なし!」 – NAVER まとめ
表記が「一日おにぎりを30個握る女神マネージャー」とかだったら、ポワポワ層に軽くつかまって終わりだったのに、「おにぎり20000個!」とレトリックの餌食にされたので、さあたいへん。
男尊女卑!
効率が悪すぎる!
勉強ができなかったことへの逃げ!
わっしょい!
と、アレやコレやとまくしたてられる始末。
根底にあるもの
僕が感じたのが、「やりたいことを全力でやっている人」に対する嫉妬だ。
しばしばブログで食ってます!って人に向けられる「(笑)」や見下し感とさほど大差のないもので、「まぶしすぎて嫌」や「真っ直ぐすぎて嫌」に理屈をつけているんだろう。
インターネットだと「ああ、アイツは人生を棒に振った!(その点、俺はニヤリ)」って構図はとても良く見る。大丈夫?って心配をするふりをして、優位に立つ感覚を得るパターンのやつ。
これだけよく見るってことは人間にはそもそもこういう機能が内包されているんだろうね、防御機構の一つとして。
自分のできないことをやってのける人には尊敬と畏怖がつきものだ。理解できない=怖い。理解できない=攻撃。理解できない=悪。考えるのが面倒な人たちにとって、短絡的な結論は楽でありがたいものだからなぁ。
自分のできないことをやってのける人は怖くて凄い。ジョジョと歴史が証明している。宗派が違うだけで殺し合いが起きる世界に我々はいるんだよ。
自分も含め、泥水が居心地のいい生物もたくさんいるわけで。清濁併せ呑めよ!と擦れたアドバイスをしたくなる気持ちも凄くよく分かる。当然そういうのは大体の場合余計なお世話なのだけれども。
とはいえ、学生時代に人に話せるエピソードが一つもないってのは、それはそれとして悲しいじゃないか。
中学高校と勉強しかしてきませんでした。効率よく勉強できることが自慢です。もちろんそれも素晴らしい。培った学力で難関大学に進学し、広い世界にたくさんの武器と優秀な友達と一緒に飛び出して欲しい。自分の娘には父としてはそういう道を進んで欲しいなと思うけども、部活に没頭する学生生活でもいいとも思う。
清濁と言う意味では「アイスバケットチャレンジ」と同じように、注目を集めてシーン(高校野球・マネージャ)を活性化させるという効果には期待したい。
アイスバケットチャレンジが流行ってるけど(筋萎縮性側索硬化症)ってなに? – NAVER まとめ
当然賛否あるだろうけど、これで高校野球や、マネージャー不足が少しでも解消されるのなら、本人がまるで意図しなかった場所から投げられた小石で出来たキズも少しは報われるだろう。
個人的には受験も成功し、就職もすんなり決まり、最終的にはアイドルと結婚くらいまで上り詰めて、現代の寓話にまでなって欲しい。いえいえ握っていたのは成功の鍵でしたけど?的な。そこそこ可愛くて、そこそこ成功しちゃいましたけど?的な。それでいて清濁ワールド!それでいてリアル!
こういうリアルが嫌だけど、嫌で好きなんだけど、ジェンダー層、憤死と言う感じですね。
そもそもおにぎりマネージャマミタスの逸話を美談にも思えなかった僕の心が完全にフローズンだっただけの話です。残暑お見舞い申し上げます。
文:シンタロヲフレッシュ
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