【読了】西尾維新『終物語(下)』 ご都合主義もこじつけも、だがそれがいい!
完結。
http://youtu.be/SG0qP2V_2A4
西尾維新の本に於いて「予想外の展開」は予想の範囲内なんだけれども。
物語シリーズについにエンドポイントが打たれました。もちろん織り込み済みの「続・終物語」が控えてますけど、物語シリーズ一応の終結ですね。
終盤は、アニメレギュラーメンバーをほったらかして、オノノキちゃんやら、臥煙パイセンやらが話しを動かしたり、引き延ばしとしか思えない初代眷属との件を経て、ようやく『忍野扇』と相対するわけですけど。も。
ネタバレするつもりはないので、詳しくは書きませんが、一見いらんかったやろと思う初代眷属との絡みも、ご都合主義的こじつけの為の、一つのネタ振りでして、なければないでどうとでもなりそうなエピソードですけど、いちおう謎解きに絡んでいますから、終物語は上中下と順番に読むべきです。
なんにせよ、終わりました。
僕は、さいごの一行をニヤニヤして読みましたよ!
謎解きの刊で、物語の締めくくりの刊なので、説明臭い部分やこじつけすぎて笑える部分もありますが、最終刊でしか出来ないサービスというか、サービス精神というか、織り込み済みの予想外を、ちゃんとしっかり楽しめました。
うん。
おもしろかった。
思い返せばアニメで化物語を見てからですからね。ああ、一話目からおもしろかったなぁ。
西尾維新アニメプロジェクトの第1弾として企画され、2009年7月よりUHF系ほかMBS、BSジャパン、AT-Xにて放送。 …
via.化物語 – Wikipedia
なんだかんだ5年くらいは楽しんでいたんですね。後一冊しか新しい話しが読めないなんて、悲しい気持ちもありますが、物語シリーズは僕の中に「おもしろい小説」として刻まれました。
全部で17?冊くらい?あるシリーズ読み返すって考えるだけでワクワクしますね。
森裕嗣のS/Mシリーズ読み終えたときも同じ気持ちでしたね。S/Mシリーズも時間をかけて何度も読み返すんですけど、いつも最終刊で同じ気持ちになります。
ああ、僕はおもしろいモノに出会ったなぁって。
メディアミックスなんつー、わりとハズい言葉でしか説明できない、アニメ・小説のクロスオーバーでしたけど、これだけ媒体が変わっても受け取る印象がぶれない作品ってなかなかなかったと思います。
○○を知らないなんて人生の○○%を損しているよ!とか無粋なことを言うつもりはさらさらありません。
が、
可愛い女の子がいっぱい出てくるアニメでしょう?みたいな認識なのだとすれば、それはちょっともったいない気がしちゃいますね。
西尾維新の書く人物ってのは、僕からしたらメチャクチャ優しいんですよね。よわっちーやつほど優しく書かれている。
物理的な殴る力の強い弱いじゃないおもしろさが個人的には荒木先生に通じていると思っているんですけど、バトルとか、どんでん返しとか、そんなのわりとどうでも良くて、突き抜けて「優しい」から僕は好きです。
うるっとくるし、カタルシスを得ます。
後一冊残っている訳ですが、個人的にやらかしてくれることを期待せずにはいられません。はい。
あ、
アニメでの登場が織り込み済みなのか、神原の出番は一秒も一行もありませんでした(笑)
文:シンタロヲフレッシュ
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