背景が溶けて消し飛ぶレンズ「SEL100F28GM」
立体感がもの凄い!FE 100mm F2.8 STF GM OSS(SEL100F28GM)
どうも、スペック厨の私です。
アポダイゼーション光学エレメントを備えたレンズは意外とたくさんあります。が、その中でもオートフォーカスが効くレンズはこの世にたった2つだけ。
富士フイルムのXF56mmF1.2 R APD
Sony FEレンズ SEL100F28GM
ソニー純正の強み「SEL100F28GM」
たったの2つのうち、オートフォーカスの効くフルサイズのセンサーサイズ用レンズでSTF(アポダイゼーション)と言えば、記事執筆時点でこの世界に1つ「SEL100F28GM」だけ。
逆に言えばXマウントに特化してるレンズも「XF56mmF1.2 R APD」だけなのだけども。それはそれ。
むしろ同じ画角のキラーレンズがあるのに、さらに同じ画角でAPD(アポダイゼーション)ありなしを構えるフジは頭がおかしい(最高の褒め言葉)
アポダイゼーションフィルター(APDフィルター)の原理と効果 | 富士フイルム
今までもちょっと変わったレンズやカメラを追い求めてきた私です。
評判の悪い子ほど愛しいDO「キヤノン EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM」 * prasm
購入の意思は堅いんだが、Eマウントの中望遠短焦点、悩ませてくるな!おい!
— シンタロヲ👨🎤フレッシュ (@shintarowfresh) 2018年3月8日
Eマウントのシリーズ、ソニー純正の中望遠、なかなかキラーレンズが揃っておりまして。どれを買うか悩んでおったわけですが。決めました。
手持ちのα7シリーズに合致するEマウントレンズで
- Eマウントの中でもハイエンド仕様の G Masterとして
- STF(Smooth Trans Focus)レンズ (アポダイゼーション(APD)光学エレメントと11枚羽根の円形絞り)
- オートフォーカスが動く(瞳AFも)
この変態仕様が生まれたことを神とソニーのエンジニアに感謝しつつ、さらに言えば中望遠域にキラーレンズを揃えるEマウントシリーズの中で最高峰描写力の証、「G master」として発売してきたソニーさんに敬意を表しつつ、実写のレビューです。
α2Ⅱを買って以来、4本目のフルサイズ用レンズ。そして念願のGMレンズ。
愛しさ。
「SEL100F28GM」が作るPhotoshopじゃん、というボケ
アポダイゼーション光学エレメントが作る輪郭のないボケ、と言われてもぴんとこないかも知れないが、CGみたいに吹っ飛ぶボケと言うと、どうだろうか?
Zeissを始め、キリッとカリッと映るレンズというのはたくさんあるだろうし、この「SEL100F28GM」も当然のように解像するわけだけども、合焦面以外のボケが鬼まろみを持っていると立体感の強調が気持ちいい。
いちいちドラマチックなボケ
前ボケも後ろボケもとにかくぶっ消し飛ぶから、条件が整うと激ドラマチック。
商業映画のように、ドラマチックなボケ。
最高級機材じゃなくてもここまでの写りをサクッと手にできるから助かる。
中望遠の歪みのない写り
遠近感を強調したダイナミックな絵作りが広角レンズの特徴ならば、歪まずギュムッとした素直な写りが中望遠の性質で。
何を撮りたいのかをハッキリさせてからシャッターを切らないとどうにもならない中途半端な写真になりがちな画角だからこそ、ギュムムと意図を詰め込める写真になる気がして。
後でトリミングすればいいやってな油断を排除しつつ撮影せざるを得ないので、よい緊張感をいただける感じです。
中望遠域、癖になる。
「SEL100F28GM」主戦場のポートレート
正直、これが撮りたかったという感じの仕上がり。
瞳AFや追尾AFが効くレンズなので合焦がめちゃくちゃ楽。もっと写真が上手くなれば別の画角のマニュアルフォーカスなアポダイゼーションも揃えたくなるコレクター心。
合焦している部分はシャープそのもの。
被写体の奥の背景は、輪郭を失い、綺麗に溶ける。
カメラの腕が上がったかと錯覚させてくれる酔わせるタイプのレンズですよこいつは。
普通の1日が映画の中の一コマみたいになるの、嬉しい。
「SEL100F28GM」を使っていて不便なところ
わかっていたけど、暗い
やっぱりF値換算で5.6スタートになる暗さ、夜の室内だとちょっときついレベルです。
ただ、レンズ、ボディー共に備わる手ぶれ補正を頼れば、ある程度シャッタースピードは遅く出来るかな。と。子供が動き回るので、ボディー側で高感度に強いモデルがあるとなおよしですね。
撮影距離1m付近でフォーカスが迷う
これはボディとの相性もあるんだろうけども(α7Ⅱ)、マクロとの切り替え境界である1m付近でオートフォーカスが迷いに迷う。
花やモノを撮る時はAFを切ればいいんだろうけども、この辺でもスッと合焦できると嬉しい。
マクロ機能の切り替えが多少面倒でもあります。1mより手前に合焦させようと思ったらレンズ側でモードを切り替える必要があります。
誤操作の防止も兼ねて、ボタンを押しながらヘリコイド回す仕様だけども、ヘリコイド自体が細いし、この操作が頻繁にある撮影はなかなか面倒。
絞りのコントロールは、レンズからの操作のみ。物理的に絞りを回すタイプの操作で、ボディー側からのコントロールは出来ない。
出来ないけどもこれはこれで慣れかなと。むしろ今の絞りを目視できて楽さもあり。
STFの効果はT8までの絞りまで。それ以上は効果の判別が難しい。
絞りは各目盛りでコリッと止まるクリック感の感じられる仕様だけど、これは側面のスイッチでクリック感のないスムーズな動きに切り替えることも可能。
左側には、好きな機能をアサイン出来るボタンがある。デフォルトではフォーカスロックがあたっているけども、瞳AFとか別の機能をアサインすることも可能。
フォーカスのヘリコイドはどちらかというとヤワ目でするする動く感じ。マニュアルでの微調整も苦にならない個人的には好きなヤワさです。
マクロ切り替えと、マクロ境界でAFが迷うことくらいが弱点ですかね。
絞りのコリッとしたクリック感はああいいレンズなのだなぁと嬉しくなります。
御託はいい、綺麗なボケをよこせ
実際に言いたいことはこれだけです。
機能がどーだ、世界に1つだどーだ、こーだ、そういうのはいいんですよ!
綺麗なボケが欲しいんですよ、僕は。綺麗なボケの中で笑う家族の写真が欲しいんですよ、僕は!
そして、綺麗なボケをくれるレンズを手に入れたんですよ。僕は!
惜しむらくはこの最高の光学性能を生かせるボディーじゃないってところで(弊α7Ⅱ)。
確実に次はα7RⅢを買うことになります。そういう風に出来ているんです。
ああ、Aマウントの135mmも欲しいなぁ。(ズブズブズブズブ)
GM85、マクロの90、STFの100、Aマウントを入れると、STF(マニュアルフォーカス)の135、このボリューム! https://t.co/FoG97LwAYH
— シンタロヲ👨🎤フレッシュ (@shintarowfresh) 2018年3月8日
文:シンタロヲフレッシュ
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